何とか生きていかなきゃ…コロナで客が激減した福岡の歓楽街・中州の悲痛な声

日本中を不況に陥れている新型コロナウイルスは、福岡・中州の歓楽街にも暗い影を落としています。

いつもなら、夕方になればにぎわいを見せる中州大通りも、緊急事態宣言後は閑散としています。東京や大阪など感染者の多い地域ならともかく、「なぜ福岡まで?」というのが中州住民の率直な気持ちでしょう。休業自粛でどうなったのか、中洲の今を追ってみました。

 

コロナで街の雰囲気が一変

型コロナウイルス感染拡大により、福岡を代表する歓楽街・中州の雰囲気が一変しています。

3月と4月は歓送迎会の時期なのに、飲食店の予約はほぼゼロで、一次会から流れていくはずのカラオケ店もすべて閉店しています。さらに、普段だったらカラオケから繰り出すはずの風俗店にも、客が向かう様子はありません。

 

というより、風俗店の看板が消えている状況ですから、いつもの中州らしさは何もないと言っていいでしょう。感染への警戒から客足が遠のいたという見方もできますが、感染のおそれがあっても店が開いていれば来る客がいるのは、自粛しないパチンコ店に客が押し寄せる光景を見ればわかります。自粛が必要なのはわかっていても、店が営業していれば行きたくなる人がいるのは、今回のコロナ騒動でよくわかりました。

 

外出自粛8割達成が難しく、自粛要請という「お願い」では無理なのではないかと、ロックダウンの必要性を主張する人もいましたが、現在はロックダウンという言葉はまったく聞かれなくなりました。

海外ではいくつかの都市がロックダウンを実施して、コロナウイルスの封じ込めに躍起となっていましたが、現実にはロックダウンしても7割しか外出を減らせなかったようです。そこへいくと、自粛要請だけでここまでできた日本人は、もっと賞賛されてもいいのかもしれません。

 

しかし、国民の素晴らしさに比べて、日本政府の体たらくは目に余るものがあります。10万円給付が決まってもいつ支給されるのかさえまだ決まらないありさまでは、日本の恥を世界に晒しているようなものです。

 

さて、話題を中州に戻しましょう。他の地域の歓楽街と同様に、中州も客足が激減し、現在は休業している店舗が目立ちます。それでも、緊急事態宣言直後は目抜き通りのクラブやバーの中には、営業している店も多かったようです。しかし、週末だというのに客足は少なく、通りを歩いていて向こうまで見渡せる程度にしか、人通りはありませんでした。

 

過去にリーマンショックや大震災直後などに、閑散とした時期はあったものの、ここまでの落ち込みはかつてなかったことです。2500店もの飲食店や風俗店が立ち並ぶ中州は、これまで経験したことのない不況に立たされています。

「これでは中州が持たない」という声も上がり始めています。

 

リーマンショックは、経済不況のあおりで客足が遠のいただけなので、やがてサラリーマンのお小遣いが増えるにつれて客足も戻ってきました。大震災のときは、「大災害があったのに」という精神的な自粛ムードだったので、時間とともに徐々に薄れていきました。しかし、今回のコロナ騒動はこれらとは状況がまったく違います。

 

ただの不況ではなく、「感染すると命が危ない」というウイルスの脅威もあるのです。

不況に対する備えはできても、ウイルスなんて誰も想定していなかったでしょう。福岡では、多くの会社が飲食店の利用自粛を社員に言い渡したため、ほとんどの飲み会が中止となりました。

 

その背景には、福岡県が九州で一番感染者が多かったということもあるようです。それに加え、総理や東京都知事が再三にわたって三密を避けるように要請したため、さらに中州から人が減っていきました。それでも、中州のバーやキャバクラ、スナック、風俗店などには、常連客が顔を出していたようです。

 

しかし、自粛要請が始まるとまずフリーの客が激減しました。それから自粛要請がさらに強くなると、今度は常連客の足も少しずつ遠のいていきました。売り上げがダウンすると、店の経営者はどこで見切りをつけるか判断を迫られます。

 

売り上げが落ちたまま営業を続けると、家賃や仕入れや人件費で赤字になるラインがあるからです。普通に営業して売り上げが落ちたのなら仕方がありませんが、今回の落ち込みは理由が理由だけに、経営者も苦渋の選択を迫られることになりそうです。

 

ホステスが飲食店を回って営業

緊急事態宣言が出される少し前、中州ではクラブなどのホステスが他の飲食店を回る光景が見られました。

飲食店の経営者に名刺を渡し、「私たちの店を紹介して欲しい」と依頼しているのです。ホステスは、以前に同伴などで訪れた居酒屋などを回って営業していました。

 

このような状況では、ただ店を開けているだけではお客は来てくれません。ホステスは、店でお客が使ってくれた金額で給料が決まります。そのため、生活していくには、こうして1人でもお客を呼ぶしかないのです。

 

もちろん、ホステスはなじみの客に、毎日のように営業メールを打っているでしょう。しかし、コロナで離れたお客は簡単には戻ってくれないのです。

 

マスクが着用できない仕事

クラブのホステスや風俗嬢は、接客時にマスクを着用することができません。

もちろん、感染が怖くないわけではありませんが、そんなことは言っていられないという現実があります。彼女たちはまず「生きていかなければならない」のです。

 

キャバクラや風俗店では、販促のために割引券を出すことがありますが、中州では「コロナ割」と称する割引を導入した店も登場しています。あまりにストレートなネーミングなので、思わず笑ってしまいそうですが店側は真剣です。経営者はみんな店を守り、従業員に給料を払うために必死なのです。

 

コロナがもたらす不況は、現在のところ終わりが見えない状況です。中州では、店を閉めて去って行った人も少なくありません。中州は幾多の不況の波を乗り越えてきましたが、コロナの荒波はこれまでとはちょっと違うようです。

 

まとめ

コロナ不況の波は福岡の中州にも押し寄せています。中州の目抜き通りもかつて見たことのないほど閑散としており、閉店する店も続出しています。福岡はいち早く緊急事態宣言が解除されましたが、中州に客足は戻ってくるのでしょうか。3月と4月の歓送迎会の時期に営業できなかった店は大きな打撃を受けています。閉店する店も増えており、中州が以前のような活気を取り戻すのはいつになるのでしょうか。